映画「億男」のあらすじ・ネタバレ・感想
億男は、2018年10月19日に映画の上映が開始されることが決定している川村元気の小説です。
<ネタバレ・感想>
「・・・お金と幸せの答えを教えてください」大倉一男は、宝くじで三億円を手にし、その恐怖から友人の大富豪九十九に相談を持ち掛ける。ネットで宝くじに当たった人の末路を調べたところ、みな悲惨なものであったと。
それに対して九十九はこのようなアドバイスを送る、
「日本人が、海外の金持ちからなっと言われているか知ってるかい?死ぬ時が人生最大の金持ち、だ。せっかく三億円も手に入れて現金を見ないで死ぬなんてもったいない。」
九十九からもらったアドバイスを得て、三億円と正しく向き合い楽しい人生を送るはずだった。借金も返済できるはずだった。
しかし、三億円は九十九とともに消えてしまう。友人であり、お金に困っているわけでもない九十九がなぜそのようなことをしたのか、理解に苦しんだ一男は九十九の秘書である十和子に話を聞きに行く。
そこで、十和子から意味深な質問をぶつけられます。「もし、九十九が見つかってお金が取り戻せたとして、あなたはその三億円を何に使うんですか?」
一男は答えます「・・・まず、弟の借金を返します。それから借金のせいで壊れてしまった僕の家族、妻、娘を取り戻さなくてはならない。」
十和子はこれに対して「お金があれば、家族は取り戻せると?」「私はそうは思いません」
この会話は、物語の中ですごく重要な意味を持っていると思います。金では買えないものがある。プライスレスなものこそ重要。でも、お金によって狂わされる人生があったりお金によってもたらされる幸福もある。そういう客観的な事実もしっかりと描かれている気がします。
あともう一つ印象に残った会話があるので紹介します。
「やっぱり・・・・あなたは変わってしまった。お金に大切なものを奪われてにまった。」
「大切なものって?僕は何も変わらない。家族で幸せに暮らしたいだけなんだ。」
「あなたは本当に家や車がほしいの?今、心の底からほしいものは、何」
日本全国のお金持ちになりたいと思っている皆さん。自分を見失わないでください。
お金持ちになりたいと思うこと自体はある意味正常だと思います。しかし、何がしたいというのがなくただお金だけを求めるのは危険です。